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日本今様謌舞楽会について
 
 日本今様謌舞楽会は、故桝井泰山師の提唱により結成され、昭和五十三年(1978)、現家元石原さつきに継承され、伊勢神宮をはじめとする全国各地の寺院神社にて、今様歌ならびに舞の奉納のほか、国際日本文化研究センターにおける公演など、今様の歴史を知っていただくための活動を中心とし、今様歌の研究と研鑚につとめてまいりました。そして、本年、石原さつき家元継承二十五年、今様研鑚の場としての嵯峨今様道場設立十年の時を迎えました。
 
 「今様」は、平安時代末期を最盛期とし、その後、徐々に衰退した芸能です。それが昭和初期の『梁塵秘抄』の研究の発展に伴い、少しずつ「今様」が世に知られるようになりました。しかし、その実態はいまだに解明されていません。そのようななかで、本舞楽会は、研究者先生方による研究実績から学びながらも、まずは、今の世に「今様」がどのように生きることができるのかという道を、実践を通して研究し続けております。
 
 貴族・庶民を問わず愛好された「今様」は、日本伝統文化の基底である、平安のみやび文化を、そのままにあらわすものであると同時に、庶民たる私たち現代人の耳にも、不思議と親しみを感じさせるものです。高度に洗練された芸術性の一方で、たとえば、能の謡のような極度の専門性とは違った、「誰にでもできる」気軽さを持ち合わせているのが、「今様」ではないかと考えています。その点で「今様」は、現代において創造的に、「生きる」伝統芸能のひとつとして、大きな可能性を秘めていると思われます。
 
 まずは、「平安時代装束を身にまとい、今様歌を作ってみる」こと。そして、私たち日本人の感性に響く「七五調」のリズムを体感すること。そうすることで、今様の研究発展、京都平安文化への理解は言うに及ばず、日本伝統文化全般への興味と深い理解へとつながっていくことができるのではないかと考えています。なお、平安京に発する歴史文化都市たる京都といえども、現在残る芸能の多くは、中世から近世にかけて、興隆し成立したものと考えられます。その中にあって、再興とはいえ、平安時代に行われた芸能として、現代に生かされることができるのではないかと考えております。ひとりでも多くの方々に、今様の楽しさを体験していただければと、願っております。  
日本今様謌舞楽会